商品・サービスの調達(お客様の悩みや欲求を満たす具体的ソリューション)
「マーケティング」についてお伝えしていますが、
これまで、マーケティング・プロセスの中から、
「ターゲット」と「ニーズ」について説明を行ってきました。
今回は、前回までの続きとして、
「商品・サービスの調達」をテーマに話を進めていきます。
前回までに、
「誰の」「どのような悩みや欲求を解決するのか」
について説明してきました。
「ターゲット」と「ニーズ」を設定したのは良いのですが、
ターゲットの持つニーズを満たすための具体的な「商品」
または「サービス」が調達出来ないのでは、
ビジネスとしては成り立ちません。
ここでは、「調達」と言っていますが、
メーカーであれば自社開発する事も含んでいます。
今回のテーマでは、次のことを検討していきます。
- ターゲットニーズを満たす商品やサービスを調達できるのか?
- 商品やサービスはビジネスとして成り立つのか?
- テストマーケティング
ターゲットニーズを満たす商品やサービスを調達できるのか?
ターゲットニーズを満たす商品やサービスを調達するには
どのような事を意識すれば良いのでしょうか?
意識する事は「独自能力」と「独自技術」となります。
具体的には、
- これまで蓄積してきた技術や技能
- 贔屓の得意先、仕入先
- 人脈
など形のあるものだけでなく、
形のないものも含めて考えていきます。
一番有効なのは、
他社や他人が持っていない技能や能力を使った、
自社以外が対応出来ない商品やサービスを調達
することです。
まずは、設定したターゲットニーズを満たす
商品やサービスを調達できるのかを検討します。
この時点で調達できないと判断した場合は、
振り出しに戻ります。
「ターゲットの設定」に戻って再検討することになります。
商品やサービスはビジネスとして成り立つのか?
例え、ターゲットニーズを満たす商品や
サービスが調達できた場合であっても、
「ビジネスとして成り立つのか」
についてよく検討する必要があります。
例え調達出来たとしても、
調達費用が膨大で赤字になるようでは、
ビジネスとしては成り立ちません。
しかし、実践してみなければわからないことも
多くありますので、テストマーケティングを実施
するなど試してみることも有効です。
テストマーケティング
テストマーケティングとは、
本格的に販売をスタートする前に、
ある特定の地域に限定するなどして
小さくスタートすることです。
特定の地域に限ってスタートすることで、
全てを小さくまとめることが出来ますので、
想定していた反応があるかを確認したり、
問題点を把握することが可能となります。
テストマーケティングを行い、
トライアンドエラーを繰り返すことで、
本格的な販売に備えるわけです。
テストマーケティングの結果によっては、
販売時期を延期したり、最悪、
販売停止の判断をすることもあります。
その場合は、ターゲットの設定に戻ります。
ムダなことをしたように感じるかもしれませんが、
いきなり本格的にスタートしてしまってから
大きな問題が発生するよりは損失は少なく出来ます。
事例
最後に、今回も「ヘルシア緑茶」を事例に
今回のテーマを確認してみたいと思います。
前回までに、
- ターゲットを「30~60歳までの中高年男性」
- ニーズを「楽してメタボを解消したい」
の設定を行いました。
今回は、上記のターゲットニーズを満たす
商品の調達がテーマとなります。
当時、「緑茶市場」は既に急拡大していましたので、
ライバルもたくさん存在しました。
メーカーでは事前に次の基本方針を掲げていました。
- 食品の安全を守る
- 価格競争は避ける
- 急成長を目指さない
この基本方針を基にして、
メーカーが設定したのは次のようなことです。
- 緑茶市場に参入はするが、競争を避けるために特定保健用食品の認定を受ける
特定保健用食品の認定を受けることで、
厚生労働省から「メタボに役立つ」ことが認定されるため、
『差別化』が図れることになります。
実際、他の緑茶とは差別化を図る事に成功し、
その結果、価格は高く、容量は少なくでき、
それでも「売れる」という結果になっています。
先ほど、テストマーケティングの話をしましたが、
テストマーケティングは実際に、
いろいろなメーカーでを実施されています。
今回例で取り上げている「ヘルシア緑茶」についても
テストマーケティングを実施してます。
具体的には、『コンビニ限定』での販売です。
その期間は、実に「1年半」にも及んだとのことです。
【コンビニ限定販売にした理由】
販売を「コンビニに限定」にしたというのには
当然理由があります。
その理由というのは、
ターゲットとして設定した「30~60歳までの中高年男性」
が普段よく利用しているのがコンビニだからです。
また、メーカーでは、
「ヘルシア緑茶」を認知してもらうための方策として、
「ターゲットにコンビニで実際に手に取ってもらう」
を掲げたとのことです。
大々的にCMを流して商品認知を促すのではなく、
ターゲットが良く利用するコンビニで
実際に手にとってもらうことに絞った戦略です。
テストマーケティングの結果、メーカーの想定したとおり、
商品を認知した場所として「コンビニ」が多かったという
結果になったとのことです。
コンビニでの成功が鍵(成功の課題)だったとも言えます。
コンビニを舞台にテストマーケティングを実践することで、
本番に近い環境を築くことができました。
このテストマーケティングが成功したことで、
全国販売に踏み切る判断をしたということです。
このように、「どの様な結果を得たいのか」
という「目標」を設定することが重要で、
その描いた「目標」に導くための道筋(絵)を
設計することが重要だということです。
【個人ビジネス、ネットビジネスでは?】
これは、個人ビジネスも同じです。
また、リアルビジネスだけでなく、
ネットビジネスを行う場合も同じだということです。
実際、ネットビジネスを実践して大きな成果を挙げられている方々は、
例外なく、マーケティングを愚直に実践されています。
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