マーケティングコンセプトとは?(変遷のポイント)
マーケティング・コンセプトについて説明させて頂きます。
マーケティング・コンセプト
マーケティングを実践する際、
「企業」が「市場」と関わる上での考え方と言えます。
マーケティングでは、
企業は市場との対話をが通して対応することが
必要という考えです。
しかし、
歴史から見ると、その時代により対話の仕方には
変化が見て取れます。
時代により、どのような考え方の変遷があり、
何が重視されていたのかを見てみましょう。
マーケティング・コンセプトの変遷
生産志向(需要>供給)
生産すること自体に価値を置く考え方です。
「いかに作るか」に重きが置かれます。
需要が供給を上回っているので、
作れば作るだけ売れる状況です。
このような状況の場合、
企業は消費者の欲しいものを開発するというよりは、
メーカー側の思惑で開発した製品を売るという形になります。
このような状況を「生産志向」といいます。
戦後のモノがない時代が当てはまりますね。
販売志向(需要<供給)
モノがない時代とはいえ、売れることがわかれば
他のメーカーが類似商品を発売し始めます。
また、最初に商品を販売したメーカーも
生産能力を向上させていきます。
このような状況が続くと、
次第にその商品を欲していた消費者全てに
商品が行き届き、思うように売れなくなります。
また、その頃には多くのメーカーが市場に参入し、
商品の供給能力は大きくなっているため、
メーカー側は多くの在庫を抱えることになります。
このような状況になると、
メーカー側には販売部隊(営業部門)を立ち上げ、
卸売業者に対し如何にして「買ってもらうか」
を考えるようになります。
この状況を「販売志向」といいます。
しかし、根本的な原因は解消していません。
というのも、
各メーカーでは生産能力を引き下げる
という対策は取らないため、
生産活動を止めても、生産しても
利益を圧迫する状況は変わらないからです。
顧客志向
市場(顧客)が要求しているものを作る
という考え方です。
欲していた商品が消費者に届くようになると
消費者は欲しい物を選別するようになります。
また、商品へのニーズも異なってきます。
生産志向、販売志向とも市場の意見を聞かず
メーカー主導で製品開発を行っていましたが、
消費者のニーズを満たす商品がないことで
商品が売れなくなってきます。
個々の消費者で嗜好も変化してきます。
このような状況になると、
メーカー主導ではなく消費者の嗜好をよく理解し、
ターゲットとする消費者が求める製品を開発する
ことが必要となります。
この、消費者の要求する製品開発を行うことを
顧客志向といいます。
(マーケット・インとも言います)
メーカー側の対策としては、
市場を細かく細分化し、
それそれのターゲット顧客を設定し、
そのターゲット顧客に向けた商品開発
を行うようになります。
社会志向
マーケティングを実践するにあたって、
企業も社会の一員と考え、社会に害を
与えるようなことにならないように
企業活動を行うという考え方です。
高度成長期の日本や現在の発展途上国が
そうであるように公害の発生を無視して、
企業の立場だけで企業活動を行っています。
企業が引き起こした公害で市民の生活が
脅かされることは重く考えられません。
しかし、
企業も社会の中では1人の市民と同じです。
特に、法人企業は「法の上では人として扱う」
ことを意味しています。
企業も社会の一員として活動を行うには、
社会的責任を果たさなければならないと
いうことです。
企業は公害をはじめ不良品を販売したり
食品偽装などを行うと、結局は企業に責任が回り、
最悪倒産に陥るという現象が何度も発生しています。
「マーケティング・コンセプト」は企業だけでなく、
社会情勢もよく理解して、マーケティングに
取り組むことが重要だということですね。
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