とと姉ちゃんの一場面と三菱自動車燃費不正問題


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とと姉ちゃん-三菱自動車

昨年末、朝ドラ「あさが来た」の前半総集編をふと観ました。

というのも、流行って入るけどあまり興味がなかったからです。

しかし、大人気朝ドラなので「総集編だけでも見てみようか」とのことで見たてみたのです。

するとどうでしょう。

あっという間に引きこまれ、次の日の総集編が楽しみになっているではありませんか。

それから毎朝朝ドラをみるようになり、現在放送されている「とと姉ちゃん」も見る習慣になったのです。

そんな「とと姉ちゃん」の4/22放送分を見ている時に気になったことを今回のテーマとして話してみたいと思います。

女将青柳滝子にみる経営者としての姿勢

4/22放送のとと姉ちゃんでは、祖母である老舗製材問屋の女将青柳滝子と得意先との世間話が印象的でした。

滝子は主人公のとと姉ちゃんこと小橋常子を横に、得意先と世間話をしています。


ある得意先との会話の中での一場面です。


ある得意先の支払いが遅れている樣子です。


「ところで、どうだい?」

「支払えるのかい?」


女将の滝子が得意先の主人に尋ねます。


その質問に対して得意先の主人は、

「いやー、もうちょっと待って下さい」

「きちっと支払いますから」


正確な会話ではありませんが、このようなニュアンスの何気ない会話が交わされます。


そして滝子は得意先に対してそれ以上の追求はせず店をあとにします。


しばらくすると、滝子は常子に聞きます。

「あの店主は信用できると思うかい?」
 

すると常子ははっきりとした口調で

「大丈夫だと思います」

「きちっと支払ってくれるでしょう」

と答えます。


でも、なぜそう思うのか気になりますよね。


常子の言葉を聞いた滝子は
次のように尋ねます。

「なぜそう思うんだい?」


すると常子は

「あそこは従業員は皆真面目に働いている」

「従業員の教育もしっかり行っている」

「だから、この得意先は信用出来る」

「ごまかしたりしない」

というような返事をするんですね。


これを聞いた滝子の表情には笑みが浮かび、常子の言葉に満足気です。


そして、2人が得意先回りを終えて帰宅すると従業員が木材を前に立っています。


「これは何だい」

滝子の言葉に従業員は「はっ」とします。


「これは●●様に納品する木材です」

「ただ、注文を受けたのは“木曽のヒノキ”なんですが、間違って青森産のヒバを用意してしまったんです。」

「しかし、この木材も最高級の木材なんでこのまま納品しても得意先さんではわかりませんし、文句も言われません」

「うちもこの木材がダメになると大損ですし・・・」


この言葉を聞いた滝子の表情がみるみる変わりま険しい表情に。


「何を言ってるんだい!」

「いくら良い材質の木材であろうと客が“木曽のヒノキ”って言ったら、“木曽のヒノキ”しか渡したらダメなんだ!」

「うちはこうやって200年看板を守ってきたんだ!」

「お前はうちの看板に傷つけよってのかい!」

「明日までに“木曽のヒノキ”を用意するんだ!」

と命じます。


女将の言葉に経営者の凄みを感じるとともに、最近見たニュースを思い出しました。

三菱自動車の燃費不正問題

三菱自動車の燃費不正問題が発生しましたね。

「またか」ッて感じです。


三菱自動車といえば、以前「リコール隠し」で経営危機に陥ったのは有名な話です。


当時は、ウソを何重も重ね消費者の信用を失いました。


あれから十年以上が経過し、残った従業員は少しづつ地道に信用回復に努めて今に至ります。


そんな時に今回の不正発覚です。


消費者やユーザーだけでなく、三菱自動車の従業員も重大な裏切りを受けたことになりますね。

今回の不正で、三菱自動車のここまで積み上げてきた信用はガタガタです。

経営危機に発展するかも知れません。

もし経営危機に発展するばリストラも避けられないでしょうね。


なんか悲しくなります。


以前の経営危機を必死で乗り越えた従業員が、身内である会社に再度裏切られて最悪職を失ってしまう。

それも一番弱い末端の従業員にしわ寄せがいく。

(再就職の厳しい40代以上の従業員の今後はどうなるのだろう?)


理不尽な現実です。

信用について考えてみると、信用を得るには何年もの月日が必要です。

しかし、信用を失うのは一瞬です。


いつも大きな問題が発生すると経営者は「自分は指示していない」と言います。

しかし、部下である幹部が不正を侵さざる得ない状況を作っているのは経営者です。

良くも悪くも部下は上司の姿を見ているからです。
(日本お得意の暗黙の・・・です)


そういえば、数年前の大手電機メーカーも同じでしたね。

何を一番大事にするのか

今回、「とと姉ちゃんの一場面」と「三菱自動車の燃費不正問題」を題材に記事を書いてみました。


どちらも「信用」に絡む内容です。


とと姉ちゃんの女将である滝子が言い放った

「客が注文したもの以外は納品してはならない!」

「うちはこうやって200年間看板を守ってきた!」

という言葉は「経営理念」そのものです。


その企業が何を大事にして事業を営んでいるのかを表しています。


これを従業員に理解させるのも経営者の仕事だし、幹部は部下に対して常日ごろから経営理念を指導するのも仕事のひとつです。

しかし、三菱自動車で発生した不正は「教える立場の管理職である幹部」が引き起こした不正であり、不正を侵さざる得ない状態にしているのは経営者です。


従業員が何万にいようが、個人事業主ひとりであろうが、ビジネスを行う上では、「これだけは守る」という理念が必要です。


人間は弱いので自分が望むような状態でない時には、良からぬ甘い誘惑に導かれそうになります。


しかし、しっかりとした「理念」を持っていれば、いかなるときも「理念」を思い出し、「これは自分がやるべきことなのか」と自分に問いかけることで判断を間違わずに済みます。


ネットビジネスでも「悪さ(不正)」をして稼ぐノウハウが売られたりします。

確かに、その時点では稼げるのかもしれない。

しかし、そのノウハウは販売された時点でノウハウではなくなります。


多くの人がそのノウハウを知って実践することで裏ワザではなくなるということです。


また、必ず不正対策も行わます。


そして、一番悲しいのはこのようなノウハウを購入して実践しても経験すら残りません。


「失敗」であっても「成功」であっても必ず学びがあります。

この学びを次に活かすことで次をはより良い状況に持っていくことが出来ます。


しかし、先のケースではこの学びすらないのですからムダでしかありませんね。


「裏ワザ」であったり「耳障りの良いキャッチコピー」を目にしたり手にしたりすると欲しいという衝動にかられるかもしれません。

しかし、それが自分に本当に必要なものなのか、学びとなるのかなど、ご自身の「理念」に照らし合わせてから手にするべきかを判断してはいかがでしょうか。

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