トランプ大統領誕生に導くマーケティング戦略とネットビジネス
アメリカの次期大統領選挙がおわりました。
結果は、ヒラリーさんではなく、トランプ氏が第45アメリカ合衆国大統領となることが決定しました。
日本と異なりアメリカの大統領選は陣取り合戦のようで、実に奇妙な選挙戦でしたね。
ディベートの国アメリカらしい演説は、改めて人々の気持ちを大きく変えるのだということを実感しました。
この1年間を見ても、ヒラリーさんが優勢となったり、トランプ氏が優勢となったり、本当にめまぐるしく支持率は変化してきました。
投票日が迫る中、日本ではヒラリーさんが有利だと伝えられていたわけですが、ふたを開けてみると、アメリカ大統領選の中で重要とされる大きな州でことごとく勝利したトランプ氏が当選となりました。
このトランプ氏当選を受けて各メディアでは、トランプ氏の勝因やヒラリーさんの敗因について分析していますが、中でも「確かに!」と思うところを、この記事では紹介したいと思います。
劣勢のトランプ氏が大逆転で大統領に・・・
先ほども述べたように、この1年間を見てもトランプ氏とヒラリーさんを比べると、どちらかというとヒラリーさんが優勢な時期が長かったはずです。
選挙終盤でトランプさんのスキャンダルが報じられると、それまでに増してヒラリーさんが有利になっていきました。
しかし、わからないものです。
最後の最後にヒラリーさんの私用メール問題が発生し、ちょうどこの問題の余波か残っている時期に投票が行われたことで、ヒラリーさんに失望した人が多かったようです。
ヒラリーさんの私用メール問題については、これ以上の大きな問題にする必要はないというふうに判断されたわけですが、時既に遅しで期日前投票が行われた後だったいうのがトランプ氏が最後に抜き出た大きな要因だったようです。
トランプ氏にしても、ヒラリーさんにしても、国民の信用を揺るがすような出来事が共にあったはずですが、その出来事が発生した時期というのも選挙の勝敗に大きく影響したと考えられます。
この時期というのはビジネスでも大きな要因になる要素です。
全く同じ事を行うにしても、有効な時期もあればまったく有効ではない時期もあるわけです。
ビジネスで戦略を実践するのも時期の見極めが重要だということです。
トランプ氏とはどの様な人物?
トランプ氏が次期アメリカ大統領に決まったわけですが、トランプ氏とは一体どんな人物なのでしょうか。
アメリカ大統領選を見る限り、日本人から見るとクレイジーな印象を受けるトランプ氏ですが、実際はどのような人物なのか、いくつかの要素から見てみたいと思います。
アメリカ大統領選でのトランプ氏の数々の発言は、特にアメリカ国内よりも諸外国からの印象が好ましくないものでした。
しかし、アメリカ国内では、諸外国から印象のよくないトランプ氏が支持されたわけです。
特に熱狂的な支持者がいることも事実です。
熱狂的な支持者はトランプ氏のどのようなところに魅力を感じているのか?
この部分に焦点を当てて見てみたいと思います。
トランプ氏を語る上で忘れてはいけないこと、それはトランプ氏は政治家ではなく、経営者だと言うことです。
トランプ氏は市長や州知事なども経験しておらず、政治経験もありません。
ちょっと規模は小さくなりますが、日本のタレントが知事になってるようなものです。
ただトランプ氏は、数ある経営者の中でも世界的に見ても大成功を収めた経営者の1人です。
アメリカ大統領選で見せたようなクレイジーな姿が彼の本来の姿だと鵜呑みにするわけにはいきません。
なぜなら、たとえワンマン経営者だとしてもクレイジーな態度や姿勢だけでは人はついてこず、敵ばかりが増えて、ある段階からは上にいけないからです。
選挙での勝利を受けて実際にトランプ氏を取材したことがあるという専門家の人の話をテレビで聞きました。
今から20年以上前のことだということでしたが、私たち日本人が持っている印象とは全く違う印象の人だったと言うことです。
人の意見などひかないようで、相手の印象を食する様な物腰で相手の話をじっくりと聴くような人物だったということです。
ただ反面、実際に会話をしてみて「自分の役に立たない」と思えば一気に敵扱いするような面ももっている人だったということです。
要は自分のビジネスに「役立つのか」を判断基準に態度を変えているようです。
この姿勢は今回のアメリカ大統領選でも存分に活かされているように感じますた。
- 自分をどのように国民に支持してほしいのか
- 国民に響く言葉や政策は何なのか
- 国民の中のどのような思いの人に支持者になってほしいのか
と言う事を実によく考えた選挙戦の戦略だったと感じています。
この戦略を見ていると、「さすが経営者のトランプ氏だ」と感じるところがありました。
それは、今回の選挙戦はマーケティング戦略が大きな力を発揮したと感じるからです。
次は、トランプ大統領誕生に導いたマーケティング戦略を見ていきたいと思います。
トランプ大統領誕生に導くマーケティング戦略
マーケティングを語る上で重要なことが3つあります。
- 誰に
- 何を
- どうやって
例えば、何か商品を開発して販売する場合、すべての人をターゲットにするわけにはいきません。
なぜかというと、人はそれぞれ異なった価値観や趣味趣向を持っており、企業はその価値観や趣味趣向すべてに対応することは出来ません。
それは資金面だけでなく、人材面など企業が持っている経営資源には限りがあるからです。
だから、すべてのお客さんに満足してもらうのではなく、「個別企業がターゲットと定めたお客さ」んが困っていること、欲していることを見つけ出し、その解決策としての商品やサービスを開発し、お客さんに届けることで、企業・お客さん双方の満足を目指す試みです。
今回のトランプ氏の発言など行動をマーケティング戦略に当てはめて見てみましょう。
トランプ氏は誰をターゲットにしたのでしょうか。
トランプ氏は60歳以上のビジネスからリタイヤをした人たちをターゲットとするのではなく、現役世代の、それもこれまでの政権運営に失望した人たちをターゲットに選んでいます。
また、移民についても大胆な政策方針をトランプ氏は掲げています。
特にメキシコからの移民に対しては強硬な姿勢を示していますね。
これは移民によって仕事だけでなく、アメリカ国民が納めた年金が移民の人たちに使われているということに反発していると報道されています。
それでいて、オバマ政権ではこのような一般市民レベルの人たちの生活水準を引き上げることができなかったことへの反発から、自分たちが思っていることを恐れることなく代弁してくれるトランプ氏を支持しているといえます。
また、「どうやって」については
- 移民を国外に追放する
- メキシコとの国境に大きな壁を立てる
- 日本など同盟国からのアメリカ軍の撤退、または防衛費の増額要求
など、アメリカの損失となることを排除する政策を明確に、そして強固に打ち出しています。
こうやって見てくるとトランプ氏は、ビジネスに欠かせないマーケティング戦略の基本部分を確実に抑えていると思えませんか。
過激な発言についても、その道のプロを雇い、マスメディアに大きく取り上げられ、内容が良い悪いは別にしてターゲットに届く言葉をチョイスしているとのことです。
全てはトランプ氏が設定したターゲットに届くような言葉であり内容です。
たった3つの項目ですが、個々の項目がバラバラではなく、3つの項目が連動していることで大きな力となってターゲットに届いているのです。
トランプ大統領誕生で日本への影響は?
ここではトランプ大統領誕生で日本にどのような影響があるのかを見ていこうと思います。
アメリカ大統領選を通じて多くの日本国民が感じているのは、トランプ大統領は日本に対して良い影響を与えるとは考えづらいということです。
発言の一つ一つが軍事問題、経済など、日本への資金負担が増加することであったり、中国、北朝鮮といった戦争に絡むような問題について、今までにないプレッシャーを与える発言を繰り返しています。
この影響は日本だけでなく世界の主要国でも同じように脅威を感じており、今回のトランプ大統領誕生が決定する前から株価は乱高下し、為替にも大きな影響が及んでいます。
TPPに関してもトランプ氏は参加しないという発言をしているため、日本としての意思決定も難しくさせています。
クリントン氏が大統領となった場合には、日本もTPPに参加する方向で進められていましたが、トランプ氏の大統領就任で、 アメリカがTPPに参加しないのであれば、日本がTPPに参加するメリットは多くないといいます。
一部の専門家は、「これで日本のTPP参加はなくなった」という人もいます。
アメリカ大統領選は今回に限らず、選挙を通じて候補者同士が非難し合います。
トランプ氏は、諸外国に対して、これまでの歴史を反故にするような発言をしていますが、通常であれば大統領就任とともに正常な方向に向かうのが普通です。
しかし、トランプ氏に近い人の話では「トランプ氏はやると言った事は何が何でもやる男。だから楽観的に考えない方がいい」と言う方もいるようです。
どちらにしても、トランプ氏がアメリカ大統領に就任してみなければからないことも多いですが、あまり楽観的に考えない方が良いのかもしれません。
これまで日本政府は「アメリカの言いなりだ」と言われてきましたが、今回のトランプ大統領誕生によって、初めて日本政府としての主体性を持った意思を示すことができるようになってくれればと思います。
ネットビジネスに生きる戦略が満載だった!
今回の記事は、「トランプ大統領誕生に導くマーケティング戦略とネットビジネス」というテーマでお伝えしました。
この1年以上の長きにわたり、アメリカ大統領選が繰り広げられたわけですが、狂犬のようなキャラのトランプ氏の本当の姿はもっと違うところにあるような気がします。
かなりワンマン経営者だと言われていますが、ただ、自分の我を他人に押し付けるだけでは現在のような地位には就けなかったのではないかと思います。
トランプ氏だけでなく、トランプを取り巻くブレーンの人たちのビジネス頭脳は、これまでの弁護士出身が多かった大統領と較べると、今までにないアメリカに利益をもたらす政策を打ち出してくるのではないかと考えられます。
その中でもアメリカ大統領選にトランプ氏が使ったマーケティング戦略は、ネットビジネスでも大いに活きる戦略です。
ネットビジネスもビジネスに違いはありません。
手渡しで商品を売ろうが、ホームページで商品を売ろうが商品を売ることに変わりはありません。
たとえホームページで商品を売る場合でも、マーケティングの基本的な戦略である
- 誰に
- 何を
- どうやって
は非常に重要ですし、効果的です。
この3つが決まっていなければ、
- 誰にホームページに来てほしいのか
- ホームページに来てくれたお客さんは何を求めていて、ホームページでは何を提供できるのか
- またお客さんにホームページの存在を知らせる為にどのような手段を用いるのか
などが明らかになりません。
たとえホームページに多くの人が来店してくれたとしても、そのホームページで商品を購入してくれる可能性の低いお客さんばかりでは売り上げにはつながりません。
一方で、たとえホームページへの来店客が少なくても、来店客全てがそのホームページで提供している商品に関心がある人であれば売り上げにつながります。
ホームページ1つ立ち上げるにしても、マーケティング戦略を明確にすることが重要だということです。
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